心理的安全性を高めるゲーム・ワーク|職場や研修で使える実践例
「心理的安全性を高めるために、職場でできるゲームやワークはないだろうか」
「研修で参加者が自分ごととして考えられる方法を取り入れたい」
心理的安全性について知識を学ぶだけでは、実際の行動はなかなか変わりません。
そのため、職場や研修では、参加者同士で話し、考え、気づくためのゲームやグループワークが役立ちます。
ただし、単に場を盛り上げることが目的ではありません。
重要なのは、質問しやすくなる、相手の価値観を知る、失敗を話せる、意見の違いを受け止めるなど、心理的安全性につながる具体的な体験をつくることです。
このページでは、心理的安全性を高めるために使いやすいゲーム・ワークを、目的別に紹介します。
心理的安全性を高めるゲーム・ワークの目的
心理的安全性を高めるゲームやワークは、楽しい時間をつくるだけのものではありません。
主な目的は、次のような変化を起こすことです。
- 話しやすさを高める
普段は発言の少ない人も、決められたルールの中で話すことで、発言のハードルを下げやすくなります。 - 相互理解を深める
価値観や考え方の違いを知ることで、「なぜこの人はこう考えるのか」を理解しやすくなります。 - 助けを求めやすくする
弱みや困りごとを共有する経験を通じて、助けを求めることへの抵抗を減らします。 - 失敗を学びに変える
失敗を責めるのではなく、そこから何を学んだのかを共有する文化づくりにつながります。 - 意見の違いを受け止める
同じテーマでも人によって考え方が違うことを体験し、多様な意見を受け入れる練習になります。
ゲーム1 共通点探しワーク
初対面のチームや、普段あまり話さないメンバー同士で使いやすいワークです。
進め方
- 2~4人の小グループをつくる
普段あまり話さない人同士になるように組み合わせると効果的です。 - 制限時間を決める
5~10分程度で、自分たち全員に共通することをできるだけ多く探します。 - 仕事以外の共通点も探す
出身地、好きな食べ物、趣味、休日の過ごし方など、自由に話します。 - 最後に発表する
「意外だった共通点」を一つ選び、全体で共有します。
心理的安全性につながる理由
共通点が見つかると、相手に対する心理的な距離が縮まりやすくなります。
仕事上の役職や立場だけでは分からない一面を知ることで、普段の会話や相談もしやすくなります。
ゲーム2 価値観カード・価値観共有ワーク
心理的安全性の土台となる相互理解を深めるために有効なワークです。
進め方
- 価値観の候補を用意する
「成果」「安心」「挑戦」「信頼」「自由」「成長」「仲間」「安定」など、仕事で大切にしやすい言葉を用意します。 - 自分が大切にする3つを選ぶ
参加者それぞれが、自分にとって特に重要だと思う価値観を選びます。 - なぜ選んだのかを話す
選んだ言葉だけでなく、その背景や具体的な経験まで共有します。 - 違いについて話し合う
同じチームでも重視するものが違うことを確認します。
心理的安全性につながる理由
人間関係のすれ違いは、「自分が大切にしていることを、相手も同じように大切にしているはず」と考えることで起きる場合があります。
価値観の違いを知ることで、相手の言動をすぐ否定せず、背景を理解しやすくなります。
ゲーム3 「実は私…」自己開示ワーク
普段は知られていない自分の一面を共有するシンプルなワークです。
進め方
- 「実は私…」から始まる話を考える
趣味、苦手なこと、意外な経験、最近始めたことなど、無理のない内容にします。 - 一人ずつ共有する
1人1分程度で話します。 - 他のメンバーは質問する
興味を持った内容について、否定せず質問します。
心理的安全性につながる理由
少しだけ自分を開示することで、相手も話しやすくなります。
ただし、無理に深い個人情報やプライベートな内容を話させないことが重要です。
ゲーム4 失敗共有ワーク
失敗を隠さず、学びに変える文化をつくるためのワークです。
進め方
- 小さな失敗を一つ選ぶ
深刻なトラブルではなく、話しても問題のない範囲の失敗を選びます。 - 何が起きたかを説明する
事実を簡潔に共有します。 - そこから何を学んだかを話す
失敗そのものより、学びや改善点に焦点を当てます。 - 周囲は責めずに質問する
「次ならどうする?」「何が分かった?」など、学びにつながる質問をします。
心理的安全性につながる理由
失敗を話しても責められないという経験は、問題を早く共有する文化につながります。
特にリーダーが先に自分の失敗を話すと、メンバーも参加しやすくなります。
ゲーム5 助けてほしいこと共有ワーク
チーム内の助け合いを増やすためのワークです。
進め方
- 今困っていることを一つ書く
業務上の小さな困りごとで構いません。 - 一人ずつ共有する
「今、○○で困っています」と簡潔に伝えます。 - 手伝える人が声をかける
知識や経験がある人、少し時間を使える人がサポートを申し出ます。
心理的安全性につながる理由
助けを求めることを日常的な行動にすることで、「困っていると言っても大丈夫」という感覚をつくれます。
また、誰が何を得意としているかを知る機会にもなります。
ゲーム6 反対意見を出すワーク
会議で異論が出にくいチームにおすすめのワークです。
進め方
- 一つのテーマを設定する
実際の業務に近いテーマでも、架空のテーマでも構いません。 - あえて反対側の立場を担当する
自分の本音とは関係なく、「賛成側」「反対側」に分かれます。 - 理由を考えて発表する
それぞれの立場からメリットやリスクを出します。 - 最後に両方の良い点を整理する
勝ち負けではなく、異なる視点を出すことに価値があると確認します。
心理的安全性につながる理由
反対意見を言うこと自体を練習できます。
また、「異論=相手への否定」ではなく、より良い判断をするための材料だと体験できます。
ゲーム7 Good & New
最近あった良かったことや新しい出来事を共有するシンプルなワークです。
進め方
- 24時間から1週間以内の出来事を思い出す
仕事でもプライベートでも構いません。 - 一人ずつ短く話す
1分程度で共有します。 - 周囲は肯定的に反応する
質問や感想を短く返します。
心理的安全性につながる理由
会議の最初などに行うことで、いきなり仕事の議題に入るより話しやすい雰囲気をつくれます。
特に発言の少ない人にとって、「まず一度声を出す」ことがその後の発言につながる場合があります。
ゲーム8 感謝・承認ワーク
チーム内の肯定的なコミュニケーションを増やすためのワークです。
進め方
- 最近助かったことを思い出す
誰かにしてもらったサポートや、良い行動を一つ選びます。 - 具体的に伝える
「ありがとう」だけではなく、「○○してくれたので助かった」と理由まで伝えます。 - 一人一回以上伝える
全員が誰かに感謝を伝える機会をつくります。
心理的安全性につながる理由
普段から肯定的なやり取りがあると、必要な指摘や反対意見も受け止めやすくなります。
ゲーム9 もし私がリーダーならワーク
役職に関係なく、チームづくりについて考えるワークです。
進め方
- テーマを設定する
「もし自分がこのチームのリーダーなら、心理的安全性を高めるために何をするか」と考えます。 - 3つの行動を書く
抽象的な言葉ではなく、具体的な行動にします。 - グループで共有する
他の人の案を聞き、自分では思いつかなかった視点を学びます。 - 自分にできることへ変換する
最後に「リーダーでなくても自分にできること」を一つ決めます。
心理的安全性につながる理由
心理的安全性を「上司だけの仕事」にせず、チーム全員でつくるものとして考えられるようになります。
ゲーム10 チームの心理的安全性チェック&対話ワーク
現在のチームの状態を確認し、改善につなげる実践的なワークです。
進め方
- 個人で心理的安全性をチェックする
質問、相談、失敗の報告、反対意見などについて、自分の感覚を確認します。 - 気になった項目を選ぶ
点数が低かった項目や、改善したいと思った項目を一つ選びます。 - 小グループで理由を話す
なぜその項目を選んだのかを共有します。 - 改善行動を一つ決める
「会議で全員の意見を聞く」など、次回までにできる具体的な行動を決めます。
心理的安全性を高めるゲームを成功させる5つのポイント
同じゲームでも、進め方によっては逆効果になることがあります。
- 参加を無理強いしない
心理的安全性を高めるためのワークで、話したくないことまで強制してしまうと本末転倒です。 - 発言を否定しない
ワーク中に出た意見をすぐ評価したり、笑ったりしないルールを確認します。 - 勝ち負けを目的にしない
競争が強くなりすぎると、安心して参加できない人が出ることがあります。 - 仕事につなげる振り返りを行う
「楽しかった」で終わらせず、「この体験を仕事でどう活かすか」を話し合います。 - 継続する
一度のゲームで心理的安全性が完成するわけではありません。日常のコミュニケーションと組み合わせることが重要です。
心理的安全性ゲームでやってはいけないこと
ゲームやワークは便利ですが、使い方を間違えると心理的安全性を下げることがあります。
- 深い自己開示を強制する
家庭事情や過去のつらい経験など、本人が話したくない内容まで求めないようにします。 - 発言内容を人事評価に使う
安心して話す場で出た内容が評価に直接利用されると分かれば、本音は出にくくなります。 - 発言の少ない人を責める
「もっと積極的に話してください」と責めるのではなく、なぜ話しにくいのかを考えます。 - 心理的安全性を測るために人を試す
わざと厳しい質問をしたり、失敗を誘発したりする方法は避けます。
オンラインでも心理的安全性ゲームはできる
オンライン会議でも、多くのワークは実施できます。
- ブレイクアウトルームを使う
大人数では話しにくい人も、2~4人程度の小グループなら発言しやすくなります。 - チャットを使う
口頭で発言するのが苦手な人には、チャットで意見を書いてもらう方法もあります。 - 共有ボードを使う
オンラインホワイトボードなどに意見を書き、全員で見ることで発言を可視化できます。
研修ではゲームだけで終わらせない
心理的安全性研修でゲームやワークを取り入れる場合、最も重要なのは振り返りです。
ゲームを楽しんだだけでは、職場に戻ったときの行動は変わりません。
「なぜ話しやすかったのか」
「逆に、どんな場面では発言しにくかったか」
「自分の職場では何が起きているか」
「明日から何を変えるか」
このように、体験を実際の職場に結びつけることで、ワークが行動変容につながります。
性格タイプ診断テストを使った相互理解ワーク
心理的安全性の作り方教室では、相互理解を深めるために「楽しみながら、自分と相手の違いに気づける」性格タイプ診断テストを活用しています。
人によって、重視する価値観やコミュニケーションの特徴は異なります。
自分では普通だと思っていた考え方が、他の人にはまったく違って見えることがあります。
性格タイプ診断テストを使いながらお互いの特徴を知ることで、「だからこの人はこう考えるのか」という気づきが生まれます。
単なる性格診断で終わらせず、実際の職場での伝え方や関わり方に落とし込むことが重要です。
ご参考:性格タイプ診断テストの選び方
心理的安全性ゲーム・ワークを研修で体験する
心理的安全性の作り方教室では、講義だけでなくグループワークを中心に研修を行います。
参加者自身が話し、考え、自分たちのチームの状態に気づくことを重視しています。
「知識として分かった」だけではなく、「自分たちにも同じ問題がある」「明日からこの行動を変えよう」と感じられることが、実際の職場改善につながります。
よくある質問
- 心理的安全性を高めるゲームにはどんなものがありますか?
-
共通点探し、価値観共有、失敗共有、助けてほしいこと共有、反対意見を出すワーク、Good & New、感謝・承認ワークなどがあります。目的に合わせて選ぶことが重要です。
- 心理的安全性のゲームは本当に効果がありますか?
-
ゲームだけで心理的安全性が完成するわけではありませんが、発言、相互理解、失敗共有、助け合いなどを体験するきっかけにはなります。実施後に振り返りを行い、日常の行動につなげることが大切です。
- 心理的安全性のゲームはオンラインでもできますか?
-
はい。ブレイクアウトルーム、チャット、オンラインホワイトボードなどを活用すれば、多くのワークをオンラインでも実施できます。大人数より小グループに分ける方が発言しやすい場合があります。
- ゲームが苦手な社員にも参加してもらうべきですか?
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無理に盛り上がることを求める必要はありません。心理的安全性を高める目的なのに、参加や自己開示を強制すると逆効果になることがあります。話す量や参加方法に選択肢を持たせることが大切です。
- 心理的安全性研修ではゲームを入れた方がよいですか?
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参加者が自分ごととして考えるためには、グループワークや体験型の要素は有効です。ただし、ゲームをすること自体を目的にせず、実施後に職場の課題や明日からの行動について振り返ることが重要です。
まとめ|心理的安全性ゲームは「楽しい」で終わらせない
心理的安全性を高めるゲームやワークには、共通点探し、価値観共有、失敗共有、助け合い、反対意見を出すワークなど、さまざまな方法があります。
重要なのは、どのゲームを選ぶかだけではありません。
なぜそのワークを行うのか。
何に気づいてほしいのか。
実際の職場でどの行動を変えるのか。
ここまで考えて実施することで、単なるレクリエーションではなく、心理的安全性を高める学びにつながります。
心理的安全性を高める具体的な方法全体については、心理的安全性を高める方法もあわせてご覧ください。
心理的安全性そのものの意味や基本を確認したい方は、心理的安全性とは?をご覧ください。
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