性格タイプ診断テストの選び方|職場の相互理解・心理的安全性に活かす方法
性格タイプ診断テストには、さまざまな種類があります。
自分自身の性格を詳しく知ることを目的としたものもあれば、採用や人材配置、コミュニケーション、チームビルディングなど、ビジネスでの活用を想定したものもあります。
では、職場の人間関係やチームづくり、心理的安全性を高めるために活用する場合、どのような性格タイプ診断テストを選べばよいのでしょうか。
ここで大切なのは、単に「詳しく診断できるか」だけではありません。
参加した人が自分と相手の違いに気づき、その後の職場でも覚えていて、実際のコミュニケーションに活かせること。
心理的安全性を高める目的であれば、この視点がとても重要です。
性格タイプ診断テストとは?
性格タイプ診断テストとは、いくつかの質問への回答などから、その人の考え方、価値観、行動、コミュニケーションなどの傾向を整理するものです。
人は、自分自身の考え方を「普通」「当たり前」だと思いやすいものです。
そのため、自分とは異なる行動をする相手を見ると、
「なぜ、そんなことをするのだろう」
「どうして分かってくれないのだろう」
と感じることがあります。
性格タイプ診断テストを上手に活用すると、自分自身の特徴だけでなく、「自分と相手では、大切にしていることが違う」ことに気づくきっかけになります。
職場で性格タイプ診断テストを使う目的
性格タイプ診断テストは、自分の性格を知って楽しむだけのものではありません。
職場で活用する場合には、メンバー同士の相互理解を深めるツールとして利用できます。
- 自分自身の特徴に気づく
自分が何を大切にしているのか、どのような考え方やコミュニケーションを取りやすいのかを振り返るきっかけになります。 - 相手との違いを理解する
自分にとって理解しにくかった相手の行動も、「性格が悪い」「やる気がない」と判断する前に、価値観や考え方の違いとして捉えられるようになります。 - 相手に合わせたコミュニケーションを考える
自分が伝えやすい方法だけではなく、「この人にはどのように伝えれば分かりやすいだろう」と考えるきっかけになります。 - お互いの強みを活かす
自分にはない特徴を欠点として見るのではなく、チームに必要な違いや強みとして捉えやすくなります。 - 職場の共通言語をつくる
メンバーが同じ考え方を共有することで、日常のコミュニケーションでも相手との違いについて話しやすくなります。
性格タイプ診断テストなら何でもよいわけではありません
性格タイプ診断テストには、それぞれ目的や特徴があります。
そのため、「最も詳しい診断が最も良い」「タイプ数が多いほど優れている」と単純に考えることはできません。
特に、職場の相互理解や心理的安全性を高める目的で使う場合には、診断後の活用まで考えて選ぶ必要があります。
職場で使う性格タイプ診断テストの選び方
1 タイプ数が多すぎない
細かく分類すれば、その人の特徴を詳しく表現できるというメリットがあります。
一方、職場全体で活用する場合には、タイプ数が多いことが必ずしもメリットになるとは限りません。
自分のタイプは覚えていても、他のタイプの特徴まで覚えられない。
研修中は理解できても、数週間後には忘れてしまう。
これでは、日常のコミュニケーションに活かすことが難しくなります。
職場の共通言語として活用するなら、誰でも覚えられる分かりやすさも重要です。
2 タイプに「良い・悪い」をつくらない
性格タイプ診断をチームで利用するときに特に注意したいのが、タイプ間に優劣を感じさせないことです。
「このタイプはリーダー向き」
「このタイプは消極的」
「このタイプの方が仕事ができる」
このような受け止め方が生まれる診断では、相互理解を深めるどころか、ラベルによる決めつけにつながる可能性があります。
心理的安全性を高めるために大切なのは、全員を同じ性格にすることではありません。
それぞれに強みがあり、違うからこそチームとして補い合える。
そのように捉えられる診断が適しています。
3 直感的に理解できる
専門的な用語や記号を覚えなければ理解できない診断は、研修として学ぶことはできても、日常の職場では使われなくなることがあります。
重要なのは、診断したその日だけではありません。
数か月後にも、
「そういえば、自分とあの人は大切にしているものが違ったな」
と思い出せることです。
難しい説明をしなくてもイメージできる分かりやすさは、社内へ浸透させるうえで大きなポイントになります。
4 楽しみながら参加できる
企業研修で性格について扱う場合、参加者によっては「性格を評価されるのではないか」「自分を分析されるのは嫌だ」と身構えることがあります。
だからこそ、真面目に学びながらも、自然に笑顔や会話が生まれることが大切です。
「確かに!」
「あるある!」
「だからだったのか!」
参加者同士からこんな言葉が自然に出てくる診断なら、性格の違いをネガティブに捉えるのではなく、楽しみながら相互理解を深めることができます。
5 研修後も職場の共通言語として使える
研修の満足度が高くても、翌日から何も使われなければ組織はなかなか変わりません。
職場で使う性格タイプ診断テストでは、診断結果そのもの以上に、研修後も使い続けられるかが重要です。
上司と部下の会話。
チーム内での役割分担。
会議で意見がぶつかったとき。
新しいメンバーが加わったとき。
日常のさまざまな場面で思い出せる仕組みであれば、研修で得た気づきを職場へ定着させやすくなります。
心理的安全性のために性格タイプ診断テストを使う理由
心理的安全性を高める方法として、1on1、会議で全員が発言する仕組み、感謝や承認、失敗を責めない振り返りなどがあります。
どれも大切な取り組みです。
しかし、その土台となる人間関係ができていなければ、制度や仕組みだけを導入してもうまく機能しないことがあります。
自分を理解してくれないと思っている相手に、本音を話す。
苦手だと思っている相手に、失敗を報告する。
自分の意見をいつも否定すると思っている相手に、反対意見を伝える。
これは簡単ではありません。
そこで重要になるのが、メンバー同士の相互理解です。
「あの人とは合わない」から、
「自分とは大切にしているものが違うんだ」へ。
さらに、
「だから、あの人にはこう伝えてみよう」へ。
この変化が、良い関係性や信頼関係をつくる一歩になります。
職場で使うなら「類人猿分類」という選択肢
心理的安全性の作り方教室では、職場で相互理解を深める性格タイプ診断として、「類人猿分類」をおすすめしています。
少し変わった名前ですが、そこにも大きな特徴があります。
類人猿分類は、人のタイプをオランウータン・チンパンジー・ゴリラ・ボノボの4タイプに分けて考える性格分類法です。
精神科医・名越康文氏の監修のもと、Team GATHER Projectによって体系化されています。
なぜ類人猿分類をおすすめするのか
理由1 たった4タイプだから覚えやすい
類人猿分類は4タイプです。
分類を細かくして一人ひとりを精密に説明することよりも、人によって大切にしていることが違うと気づくための分かりやすさがあります。
自分のタイプだけを覚えて終わるのではなく、他のタイプについても理解しやすいため、チーム内で共有しやすいのが特徴です。
理由2 4タイプに優劣がない
心理的安全性を高めるための相互理解では、「どのタイプが一番優秀か」を決める必要はありません。
類人猿分類では、それぞれ異なる特徴や強みとして捉えます。
自分とは違うタイプを「直すべき人」と見るのではなく、
「自分にはないものを持っている人」
として理解する。
この考え方は、違いを受け入れ、お互いの強みを活かすチームづくりと相性が良いと考えています。
理由3 動物だから親しみやすく、覚えやすい
オランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボ。
アルファベットや専門用語ではなく動物で表現されるため、年齢や役職にかかわらずイメージしやすいことも特徴です。
管理職だけが理解する仕組みではなく、若手社員からベテラン社員まで同じ言葉で話せることは、社内へ広げるうえで大きなメリットになります。
理由4 「確かに!」「あるある!」から会話が生まれる
性格タイプについて学んでいると、参加者から、
「これ、自分だ!」
「○○さん、確かにそういうところがある!」
「だから私たち、話がかみ合わなかったのか!」
といった気づきが生まれます。
大切なのは、誰かをからかったり決めつけたりすることではありません。
今まで理解できなかった相手の行動について、「そういう見方もあるのか」と気づくことです。
難しい理論を覚えるのではなく、笑顔で話しながら相互理解が進んでいく。
これは、類人猿分類を企業研修で活用する大きな魅力です。
理由5 社内の「共通言語」にしやすい
4タイプで、しかも動物。
このシンプルさによって、研修が終わった後にも思い出しやすくなります。
「自分と同じ考え方をするはず」と決めつけるのではなく、
「この人は自分とは違うものを大切にしているかもしれない」
と考えるきっかけになります。
研修だけで終わらず、職場の日常会話の中に残りやすい。
私たちが類人猿分類をおすすめする大きな理由の一つです。
類人猿分類を活用した企業の事例
類人猿分類の公式サイトでは、食品スーパー「エブリイ」で、人事研修に類人猿分類を積極的に取り入れた事例が紹介されています。
公式サイトでは、同社について15期連続2桁増収、8期連続増益などの実績が紹介されており、従業員の個性を活かす人事の取り組みの中で類人猿分類が活用されたことが説明されています。
もちろん、企業の業績や離職率は一つの施策だけで決まるものではありません。
そのため「類人猿分類を導入すれば業績が上がる」と単純に考えるべきではありません。
注目したいのは、性格タイプ診断を一度実施して終わるのではなく、従業員それぞれの個性を理解し、組織づくりや人材育成に活かしていることです。
性格タイプ診断で人を決めつけないことが大切
どの性格タイプ診断テストを使う場合にも、注意したいことがあります。
診断結果だけを見て、その人のすべてを判断しないことです。
「このタイプだから、この仕事には向いていない」
「あなたはこのタイプだから、こう考えるはず」
このような使い方をすると、相互理解のための診断が、逆に相手を決めつけるラベルになってしまいます。
人の性格や価値観は、4種類だけで完全に説明できるものではありません。
性格タイプ診断は、相手を分類することが目的ではなく、自分と相手の違いについて考える入口として活用することが大切です。
「あの人とは合わない」を「なるほど!」に変える
職場には、さまざまな人がいます。
考えてから行動する人。
まず行動してみる人。
成果を強く意識する人。
周囲との関係を大切にする人。
自分と違うからこそ、理解できないこともあります。
しかし、違いの理由が少し見えるだけで、相手を見る目が変わることがあります。
「なぜ、あの人はそうするんだろう?」
から、
「なるほど。だからそう考えるのか!」
へ。
この気づきが、相手への接し方を変え、良い関係性をつくるきっかけになります。
そして、良い関係性と信頼関係は、安心して質問、相談、提案、反対意見、失敗の報告ができる心理的安全性の土台になります。
心理的安全性研修でも性格タイプ診断を活用しています
心理的安全性の作り方教室では、心理的安全性について知識を学ぶだけではなく、自分たちのチームについて考えるグループワークを重視しています。
その中で、相互理解を深めるために性格タイプ診断テストを活用します。
目的は「あなたは何タイプ」と診断することではありません。
自分を知る。
相手との違いを知る。
違いを受け入れる。
相手への伝え方や接し方を考える。
こうした気づきを、実際の職場での行動へつなげていきます。
よくある質問
- 職場で使う性格タイプ診断テストは、タイプ数が多い方がよいですか?
-
必ずしも多い方がよいとは限りません。自分自身を詳しく分析することが目的なら細かな分類が役立つ場合がありますが、職場の相互理解や共通言語として使う場合には、他のタイプも理解し、研修後にも覚えていられる分かりやすさが重要です。
- 性格タイプ診断テストは心理的安全性を高めるのに役立ちますか?
-
性格タイプ診断を行うだけで心理的安全性が高まるわけではありません。しかし、自分と相手の価値観やコミュニケーションの違いに気づき、相互理解を深めるきっかけとして活用できます。良い関係性や信頼関係をつくるための一つの方法と考えています。
- 類人猿分類とは何ですか?
-
人のタイプをオランウータン、チンパンジー、ゴリラ、ボノボの4タイプに分けて考える性格分類法です。精神科医・名越康文氏の監修のもとTeam GATHER Projectによって体系化され、企業研修などでも活用されています。
- 類人猿分類のメリットは何ですか?
-
4タイプとシンプルで覚えやすく、動物で表現されるため親しみやすいことが特徴です。タイプ間の違いについて参加者同士で話しやすく、職場で相互理解を深めるための共通言語として活用しやすい点もメリットです。
- 性格タイプで人を決めつけることになりませんか?
-
性格タイプだけで人を判断しないことが重要です。診断は人を決めつけるためではなく、「自分と相手では大切にしていることが違うかもしれない」と考えるきっかけとして利用します。一人ひとりの個性を尊重したうえで活用することが大切です。
- 類人猿分類について詳しく知ることはできますか?
-
類人猿分類には公式サイトがあり、考え方や書籍、簡易診断、セミナーなどについて紹介されています。心理的安全性の作り方教室では、心理的安全性の土台となる相互理解を深める方法の一つとして活用しています。
性格タイプ診断テストを「診断して終わり」にしない
性格タイプ診断テストで最も大切なのは、結果を見ることではありません。
診断をきっかけに、
自分について知る。
相手について知る。
違いについて話す。
相手に合わせた伝え方を考える。
お互いの強みを活かす。
そして、実際の職場での行動を少しずつ変えていくことです。
「違うから合わない」ではなく、「違うからこそ、チームとして活かせる」。
性格タイプ診断テストを、メンバー同士の相互理解と良い関係性をつくるための入口として活用してみてはいかがでしょうか。
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